1990年代には、『Because You Loved Me』、『It's All Coming Back To Me Now』や、1997年公開の映画『タイタニック』の主題歌になった『My Heart Will Go On』の世界的大ヒットなどで、セリーヌ・ディオンは英語圏、フランス語圏におけるポピュラーミュージック界の大御所となった。
1999年から個人的な理由(出産、夫の看病など)により一時キャリアを休止するが、2002年にはアルバム『A New Day Has Come』で復帰。2003年から2007年12月15日には、ラスベガスのシーザーズ・パレス・ホテルにて『A New Day... Live in Las Vegas』という定期公演を行った。2008年2月14日から10年ぶりとなるワールドツアー『Taking Chances』を行った。
このアルバムのリードトラックでピーボ・ブライソンとのデュエット曲「ビューティー・アンド・ザ・ビースト〜美女と野獣〜」(ディズニー映画『美女と野獣』の主題歌)はディオンの国際的な躍進を現実のものにした。この曲で用いられる古典的なソフトロックはこの先のディオンの音楽を形作った。話題性と大々的な宣伝とでこの曲は彼女の2つめのアメリカのトップ10ヒットとなり、アカデミー歌曲賞、グラミー賞Best Pop Performance by a Duo or Group with Vocal、ゴールデングローブ賞歌曲賞などを受賞した。
『FALLING INTO YOU』(フォーリング・イントゥ・ユー=あなたに落ちていく)はセリーヌ・ディオンの通算21枚目、英語盤では4枚目のアルバム。このアルバムでディオンは人気に火が点き、彼女の音楽のさらなる可能性を示した。
FALLING INTO YOUはグラミー賞最優秀アルバム賞や、グラミー賞最優秀ポップボーカルアルバム賞など、世界中で多くの賞を受賞した。1996年には2500万枚を販売し、続く2年目には世界中で2000万枚以上を販売した。
打楽器が多用されたタイトルトラックと「River Deep, Mountain High」(ティナ・ターナーのカヴァー)、ピアノなどの古典楽器に依存はしているもののソフト・ロックである「It's All Coming Back to Me Now」(ジム・スタインマンの曲のリメイク)とエリック・カルメンのリメイク「オール・バイ・マイセルフ」、映画「アンカーウーマン」の主題歌に使用されたバラード「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」などシングルも多種多様である。 アレサ・フランクリンの「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」とマリー・クレール・デュバルドの「Falling into You」のカヴァーがそれぞれ収録されている。
『レッツ・トーク・アバウト・ラヴ』(原題:Let's Talk About Love=愛を語ろう)はセリーヌ・ディオンの通算23枚目、英語盤では5枚目のアルバム。1997年11月15日発売。
このアルバムで最もヒットしたシングルはバラード「My Heart Will Go On マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」である。ジェームズ・ホーナー作曲、ホーナーとウォルター・アファナシエフのプロデュースで、1997年の超大作映画『タイタニック』に愛のテーマとして使用されて、ディオンの代表曲になった。アカデミー歌曲賞やグラミー賞最優秀楽曲賞などさまざまな賞を受賞した。
スペシャルゲストとして「愛を伝えて〜Tell Him〜」でバーブラ・ストライサンド、「イモータリティ」でビージーズ、「I Hate You Then I Love You」でルチアーノ・パヴァロッティらと共演している。また「The Reason」でキャロル・キングとジョージ・マーティン、「レッツ・トーク・アバウト・ラヴ」でブライアン・アダムス、「トリート・ハー・ライク・ア・レディ」にレゲエの要素を加えたジャマイカ人の歌手のダイアナ・キングなどの音楽家も参加している。